女性の方に多くみられる症状
産後うつ
産後うつとはどんな病気?
産後数週間後から起きやすくなり、産後3ヵ月頃までに抑うつ状態に陥り、物事に対する興味や楽しみを感じなくなる病気です。
マタニティ・ブルーズと異なり一過性ではなく、2週間以上持続する状態になると産後うつ病が考えられます。気になる場合は心療内科や精神科を受診することをお勧めします。
産後うつの主な症状
産後うつ病の特有の症状があるわけではなく、うつ病の一般症状と同じです。

- わけもなくかなしい・さびしい・むなしいといった気持ちになる

- やる気がなくなる
- おっくうになる
- 今まで興味があったものに対して関心がなくなる

- 頭痛、頭が重い、肩こり、不眠、便秘、食欲不振、身体の痛み
※感情・行動面の症状に当てはまるものがあればうつ病の可能性が高いです。また、身体の異常を感じるものの、他科で原因が分からない場合は一度ご来院ください。
当院での治療方法
まずは、母親の気持ちの変化や気分の障害をありのままに受け止めます。共感を示すこと、支持的態度が大切です。
抗うつ薬や抗不安薬のほとんどは、母乳育児中に服用することで母乳に移行し、ごく少量ではありますが乳児に移行すると言われています。薬物による効果と副作用を評価しながら、状況に応じて使用が決定されることになります。母と子の健康にとってどうすることが最も望ましいか、母親自身が納得して治療に臨めるように十分に説明することが大切です。
妊娠期の抗うつ薬服用による胎児への影響について確立した見解はありません。ただしパロキセチンに関しては心奇形の発生率を増加させるとの報告が、またSSRIを妊娠後期に使用すると新生児遷延性肺高血圧症の発症率の増加や離脱症状、新生児適応障害の報告があります。ただし妊娠期の抗うつ薬の中断によるうつ病の悪化は母子双方に不利になるために、効果と副作用を考慮して、薬剤の使用を検討する必要があります。